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【市場編 総まとめ】農業市場は本当にチャンスなのか―市場構造から読み解く農業参入の可能性

1.市場で起きている違和感|農業は本当に衰退産業なのか?

「農業は衰退産業」

そう聞くと、多くの方が違和感なく受け入れるかもしれません。

実際、日本では人口減少が進み、農業従事者も減少しています。

しかし、実際のデータを見ると、農業市場では少し不思議な現象が起きています。

市場は伸びている。

一方で、作る人は減っている。

この状態をどう捉えるべきなのでしょうか。

本記事では、農業市場で起きている違和感を整理しながら、現在の農業市場で何が起きているのかを見ていきます。

一般的な市場の常識

通常、多くの業界では次のような動きになります。

  • 人口が減る
  • 消費者が減る
  • 市場が縮小する

これはごく自然な流れです。

実際、多くの産業では人口減少に伴い市場規模も縮小していきます。

そのため、

「人口が減る=市場も縮小する」

という考え方は、一般的には正しいと言えます。

農業市場では逆のことが起きている

ところが、農業市場では少し違う動きが起きています。

人口は減少しています。

一方で、生鮮野菜市場は拡大しています。

さらに特徴的なのが、供給側です。

農業の担い手は減少を続けています。

つまり、

  • 人口は減っている
  • 市場は伸びている
  • 作る人は減っている

という状態が同時に起きています。

これは一般的な市場ではあまり見られない構造です。

なぜ違和感が生まれるのか

ここで重要なのは、

「市場が伸びている」

という事実だけを見ることではありません。

市場は伸びている。

しかし、供給は減っている。

つまり、市場全体としては「足りない状態」が生まれているということです。

需要がある。

しかし供給が追いついていない。

この状態をどう捉えるかによって、農業参入に対する判断は大きく変わります。

チャンスと考える人もいるでしょう。

一方で、リスクと考える人もいるかもしれません。

さらに特徴的なのは企業参入の増加

農業では近年、異業種からの参入も増加しています。

建設業、製造業、物流業など、さまざまな企業が農業へ参入しています。

つまり現在の農業市場では、

  • 人口は微減
  • 市場は拡大
  • 担い手は減少
  • 企業参入は増加

という、一見すると矛盾した状態が同時に存在しています。

縮小している部分と、拡大している部分が混在しているのです。

農業は普通の市場ではない

ここまでを整理すると、農業市場は一般的な市場の前提だけでは説明できないことが分かります。

人口が減っているにもかかわらず市場は伸びている。

担い手は減っているにもかかわらず企業参入は増えている。

つまり農業市場は、

「人口減少=市場縮小」

という単純な構造ではありません。

この前提を理解しないまま農業市場を見ると、判断を誤る可能性があります。

2.市場は本当に成長しているのか|人口減少の中で農業市場が伸びる理由

人口は減っている。
作る人も減っている。

それにもかかわらず、市場は伸びている。

では本当に市場は成長しているのでしょうか。

今回は、

  • 市場成長の実態
  • 需要の変化

という2つの視点から整理していきます。

人口は減っているのに市場は伸びている

まずは日本の人口と生鮮野菜市場の推移を見てみましょう。

この20年で日本の人口は約3%減少しています。

もちろん減少傾向ではありますが、市場そのものが大きく崩れるほどの変化ではありません。

ここで一度考えてみてください。

一般的な市場では、人口が減れば市場規模も縮小します。

消費者が減るためです。

これは多くの業界で共通している動きです。

しかし、農業市場では違うことが起きています。

生鮮野菜市場は、2005年を100とすると、2024年には120まで拡大しています。

金額ベースでは約3.2兆円規模です。

つまり、

人口が減っているにもかかわらず、市場は伸びている

ということです。

 

市場は「量」ではなく「単価」で伸びている

ではなぜ市場が拡大しているのでしょうか。

ここで重要なのが単価です。

農業では担い手の減少により、供給量が減少しています。

その結果、価格が崩れにくい状態が生まれています。

さらに近年は、

・安ければ売れる
・とにかく量を作ればよい

という市場ではなくなっています。

品質や鮮度、産地、栽培方法などが評価される市場へ変化しています。

そのため、同じ量を販売しても市場規模は大きくなりやすいのです。

つまり、

市場は量ではなく単価で伸びている

ということです。

野菜ごとに見ると何が起きているのか

次に主要野菜の市場規模の変化を見てみます。

 

代表的な野菜を見ると、

・トマト:144%
・たまねぎ:165%
・きゅうり:122%
・ねぎ:132%

と、多くの品目で市場規模が拡大しています。

一方で、すべての野菜が伸びているわけではありません。

例えば、いちごは約90%となっています。

ただし、ここで注意が必要です。

これらの数字は消費ベースの市場データです。

近年増加している、

・いちご狩り
・観光農園
・体験型農業

といった需要は十分に反映されていません。

つまり、

数字だけでは見えない需要も存在している

ということです。

 

市場は「使われ方」によって変わる

もう一つ重要なのは、同じ野菜でも需要の伸び方が異なることです。

その違いを生み出しているのがライフスタイルです。

例えば30年前。

市場規模1位はきゅうりでした。

当時は漬物文化が今よりも生活に根付いていました。

しかし現在は食生活が変化しています。

サラダ需要が増え、日常的に使いやすい野菜の存在感が高まっています。

つまり市場は、単純に人口だけで決まるものではありません。

食べ方や生活様式によっても大きく変化します。

言い換えると、

市場は量ではなく使われ方で変わる

ということです。

 

「人口減少=市場縮小」は当てはまらない

ここまでを整理すると、

・人口はわずかに減少している
・生鮮野菜市場は拡大している
・多くの主要野菜も成長している

という状態が見えてきます。

つまり、

「人口減少=市場縮小」

という一般的な前提は、農業市場では必ずしも当てはまりません。

これが農業市場を理解するうえでの最初のポイントです。

 

なぜ農業市場は伸びているのか

ここまでで、市場が実際に成長していることは確認できました。

ではなぜ市場は伸びているのでしょうか。

次に需要の変化という視点から見ていきます。

市場が伸びる理由は大きく2つしかない

市場が成長するとき、基本的な要因は2つです。

・人口が増える
・一人あたりの消費が増える

このどちらかです。

では農業市場はどうでしょうか。

人口は減少しています。

つまり答えは後者です。

一人あたりの消費が増えている

ということです。

健康志向が市場を押し上げている

その理由の一つが健康志向です。

近年、

・野菜を意識して摂る
・栄養バランスを重視する
・食生活を改善する

という考え方が広がっています。

健康への関心が高まる中で、野菜への支出も増えています。

食生活そのものが変化している

もう一つはライフスタイルの変化です。

近年は、

・外食
・内食
・中食

のバランスが変化しています。

家庭で食べる機会が増えたことで、野菜を購入する頻度も高まっています。

市場規模の拡大には、こうした日常生活の変化も影響しています。

価格ではなく価値で選ばれる時代へ

さらに大きな変化があります。

それは選び方です。

以前は価格が重視される傾向が強くありました。

しかし現在は、

・産地
・品質
・安全性
・栽培方法
・生産者

といった情報も購入判断に影響するようになっています。

多少高くても良いものを選ぶ。

そうした消費行動が広がっています。

つまり、

価格ではなく価値で選ばれる市場に変化している

ということです。

伸びる野菜と伸びない野菜の違い

同じ野菜でも、市場が伸びるものと伸びないものがあります。

その違いの一つが用途の広さです。

例えば、

・トマト
・たまねぎ

などは日常的に使いやすく、料理の用途も幅広い野菜です。

一方で、調理の手間がかかるものや用途が限定されるものは伸びにくい傾向があります。

共働き世帯の増加なども影響しています。

つまり、

用途が広いものほど市場は伸びやすい

ということです。

市場は「消費の質」で成長している

ここまでを整理すると、

人口は減っています。

しかし消費は増えています。

その背景には、

・健康志向
・ライフスタイルの変化
・価値消費への移行

があります。

農業市場は、単純に量が増えて成長しているわけではありません。

むしろ、

消費の質が変化したことで市場が成長している

のです。

3.担い手はなぜ減り続けるのか|供給が縮小する農業の現実

前回の記事では、農業市場が成長している理由について整理しました。

人口は減っている。

しかし、

  • 健康志向の高まり
  • ライフスタイルの変化
  • 価値消費への移行

によって、生鮮野菜市場は拡大しています。

では次に、供給側を見てみましょう。

今、農業の現場では何が起きているのでしょうか。

作る人が減り続けている

農業市場を考えるうえで、まず押さえておかなければならないのが担い手の減少です。

現在、日本の農業では実際に作物を生産する人が大きく減少しています。

グラフを見ると分かる通り、農業の担い手は長期的に減少を続けています。

これは一時的な変化ではありません。

構造的な変化です。

つまり、

供給の中核を担う人たちが縮小している

ということです。

さらに深刻なのは高齢化

担い手の減少以上に重要なのが年齢構成です。

現在の農業は、高齢の生産者によって支えられています。

もちろん経験豊富な生産者が多いことは大きな強みです。

しかし一方で、

今作っている人たちも、今後は引退していく可能性が高いという現実があります。

つまり、

今だけではありません。

将来的にも供給が減少する可能性が高いのです。

言い換えると、

供給はこれからも減り続ける可能性が高い

ということです。

需要は増えているのに供給は減っている

ここで一度整理してみましょう。

需要はどうでしょうか。

前回の記事で見た通り、

  • 市場は成長している
  • 消費は増えている
  • 一人あたりの支出も増えている

という状態でした。

一方で供給はどうでしょうか。

担い手は減少しています。

高齢化も進んでいます。

つまり、

  • 需要は増えている
  • 供給は減っている

という状態が同時に起きています。

なぜ農業市場は縮小しないのか

一般的な市場であれば、供給が大きく減少すると市場そのものが縮小することがあります。

しかし農業市場では、そうなっていません。

なぜでしょうか。

それは、

需要と供給が別々の要因で動いているからです。

需要は、

  • 食生活の変化
  • 健康志向
  • 品質への評価

などによって決まります。

一方で供給は、

  • 担い手の数
  • 後継者不足
  • 高齢化

によって決まります。

つまり需要が増えても、生産者が増えるとは限りません。

むしろ現在は逆の方向に動いています。

今、農業で起きているのは供給の縮小

ここまでを見ると、現在の農業市場の特徴が見えてきます。

消費は増えている。

市場も成長している。

しかし作る人は減っている。

その結果として起きているのが、

供給の縮小です。

これは一時的な現象ではありません。

長期的に続いている構造的な変化です。

そして、この供給の縮小こそが、現在の農業市場を理解するうえで最も重要なポイントの一つです。

4.なぜ需給ギャップが生まれているのか|農業市場で起きている供給不足の正体

ここまでの記事で、

  • 市場は成長している
  • 消費は増えている
  • 担い手は減っている

という状況を見てきました。

では、この二つを重ねると何が見えてくるのでしょうか。

今回は、現在の農業市場で起きている「需給ギャップ」について整理していきます。

需要と供給のバランスが崩れている

市場を考えるうえで重要なのは、需要と供給のバランスです。

どれだけ需要があっても、供給が十分であれば不足は起きません。

逆に、供給が多すぎれば価格は下がります。

しかし現在の農業市場では、

  • 需要は増えている
  • 供給は減っている

という状態が同時に起きています。

つまり、

需要と供給のバランスが崩れている

ということです。

足りない状態が生まれている

ここで少しイメージしてみてください。

欲しい人は増えている。

しかし作る人は減っている。

この状態で何が起きるでしょうか。

当然ながら、必要なものが十分に供給されなくなります。

つまり、

足りない状態が生まれている

ということです。

これは特定の地域だけの話ではありません。

日本全体で起きている構造的な変化です。

需給ギャップはすでに始まっている

ここで重要なのは、

「これから起きる話」

ではないということです。

需給ギャップは、すでに発生しています。

そして今後も続く可能性が高い状況です。

なぜなら、

需要を支える要因である

  • 健康志向
  • ライフスタイルの変化
  • 価値消費

は継続している一方で、

供給を支える担い手は減少し続けているからです。

つまり、

需給ギャップは一時的な現象ではなく、構造的に発生している

ということです。

参入余地が生まれている理由

ここまでを見ると、多くの方がこう感じるかもしれません。

「それならチャンスなのではないか」

確かにその通りです。

需要はある。

しかし供給は足りていない。

そのため、

新たに供給を生み出せる企業や生産者には参入余地が存在しています。

農業市場が注目される理由の一つもここにあります。

市場が成長しているだけではありません。

供給不足という状況が同時に起きているのです。

機会損失はすでに始まっている

一方で、もう一つ重要な視点があります。

それは時間です。

何もせずにいるとどうなるでしょうか。

供給はさらに減少していきます。

その結果、

今存在している需要を取りこぼしていくことになります。

つまり、

機会損失はすでに始まっている

ということです。

不足しているものを供給できなければ、本来得られるはずだった価値や売上は失われていきます。

放置すると機会そのものが失われる

さらに重要なのは、その状態が続いた場合です。

供給不足が続けば、

  • 生産基盤の維持
  • 技術の継承
  • 人材の確保

がさらに難しくなります。

すると将来的には、

参入できる余地そのものが小さくなっていく可能性があります。

つまり、

放置すると機会そのものが失われていく

ということです。

今、この瞬間にも機会損失は起きている

ここまでを整理します。

需要は増えている。

供給は減っている。

その結果として、足りない状態が生まれている。

そしてその状態は今も進行しています。

つまり、

今、この瞬間にも機会損失は起きている

ということです。

ただし、ここで一つ注意しなければなりません。

需給ギャップがあるからといって、誰でも成功できるわけではありません。

需要があることと、事業として成立することは別の話です。

5.なぜ農業市場は普通ではないのか|中小企業に参入余地が生まれる構造的な理由

ここまでで、

  • 市場は成長している
  • 担い手は減っている
  • 需給ギャップが生まれている

という状況を見てきました。

ではなぜ、このような状態が起きているのでしょうか。

今回は、農業市場の構造そのものに注目しながら、その特徴を整理していきます。

需要と供給が別々に動いている

多くの業界では、需要と供給は連動します。

需要が増えれば企業が参入し、生産量も増えていきます。

その結果、供給が需要に追いつき、市場はバランスを取りながら成長していきます。

しかし農業は少し違います。

需要は、

  • ライフスタイルの変化
  • 健康志向
  • 品質への評価

などによって動きます。

一方で供給は、

  • 担い手の数
  • 技術者の育成
  • 現場の人材

によって決まります。

つまり需要と供給が、同じスピードでは動かないのです。

その結果、

需要は増えている。

しかし供給は増えない。

という状態が発生します。

これが現在の農業市場で起きていることです。

人口が減っても市場は縮小しない

もう一つ特徴があります。

一般的には、人口が減れば市場も縮小します。

消費者そのものが減るからです。

しかし農業市場は違います。

前回の記事で見た通り、生鮮野菜市場は人口減少の中でも拡大しています。

なぜでしょうか。

それは、一人あたりの消費や支出が増えているからです。

つまり農業市場は、

人口ではなく消費の質によって動く市場

とも言えます。

この点も一般的な市場とは大きく異なります。

参入が増えても競争は単純に激化しない

通常、多くの業界では参入企業が増えると競争が激しくなります。

市場シェアの奪い合いが起きるためです。

しかし農業では必ずしもそうなりません。

なぜなら、

参入と継続は別だからです。

農業は参入するだけで成立する事業ではありません。

実際には、

  • 安定生産
  • 人材育成
  • 技術の蓄積
  • 販路の確保

といった継続的な運営が必要になります。

そのため、参入企業が増えたからといって、すぐに供給が増えるわけではありません。

農業には中心企業が存在しない

さらに農業市場には、もう一つ大きな特徴があります。

一般的な産業では、

  • 調達
  • 生産
  • 加工
  • 販売

という流れの中で、業界全体を押さえる巨大企業が存在することがあります。

しかし農業では、このような企業がほとんど存在しません。

もちろん、

  • 種苗会社
  • 農業資材会社
  • 食品加工会社
  • 流通会社

は存在します。

しかし、

生産を含めて業界全体を統合している企業はほとんど存在しない

のです。

これが農業市場の大きな特徴です。

なぜガリバー企業が生まれないのか

ではなぜ農業では巨大企業が生まれにくいのでしょうか。

理由の一つは、生産現場が極めて分散していることです。

日本の農業は小規模経営が多数派です。

地域も異なります。

気候も異なります。

栽培技術も異なります。

つまり生産そのものが統合されにくい構造になっています。

そのため、

  • 需要が伸びても供給が一気に増えない
  • 参入が増えても競争が一気に激化しない

という状態が生まれます。

農業市場は普通の市場ではない

ここまでを整理すると、

  • 需要と供給が別々に動いている
  • 人口減少でも市場は縮小しない
  • 参入が増えても競争は単純に激化しない
  • 業界を支配する巨大企業が存在しない

という特徴が見えてきます。

つまり、

農業市場は普通の市場ではない

ということです。

一般的な業界の常識をそのまま当てはめると、農業市場の実態を見誤る可能性があります。

中小企業に参入余地が生まれる理由

ここまで見てきた内容を整理してみましょう。

需要は増えている。

供給は減っている。

需給ギャップが生まれている。

さらに業界構造も統合されていない。

中心となる巨大企業も存在していない。

つまり、

参入する余地は存在している

ということです。

だからこそ近年、多くの企業が農業に関心を持っています。

そして実際に参入も増えています。

余地と成立は別である

しかし、ここで重要な視点があります。

それは、

参入余地があることと、事業として成立することは別である

ということです。

市場に余白がある。

競争相手が少ない。

需要も存在している。

だからといって、それだけで事業が成立するわけではありません。

農業参入で失敗する企業の多くは、この部分を誤解しています。

この市場の本質とは何か

ここまでを整理すると、

  • 需給ギャップがある
  • 業界は未統合である
  • 巨大企業が存在しない
  • 中小企業にも参入余地がある

という構造が見えてきます。

ただし、

余地があることと成功できることは別です。

これが農業市場の本質です。

6.なぜ農業市場は「チャンス」だけでは成立しないのか|参入余地と成功は別である

ここまでの記事で、農業市場の全体像を整理してきました。

  • 市場は成長している
  • 需要は増えている
  • 供給は減っている
  • 需給ギャップが生まれている
  • 業界は未統合である

ここまでを見ると、多くの方がこう感じるかもしれません。

「農業は大きなチャンスなのではないか」

確かに、そのように見える構造です。

しかし実際の現場を見ると、もう少し違う景色が見えてきます。

企業参入は増えている

まず事実として、農業に参入する企業は増えています。

近年は、

  • 建設業
  • 製造業
  • 食品関連企業
  • 流通業

など、さまざまな業界から農業への参入が進んでいます。

市場は伸びている。

需要もある。

供給も不足している。

こうした状況を見れば、参入が増えるのは自然な流れです。

しかし、ここで一つ重要な事実があります。

参入数と成功数は一致しない

企業の参入は増えています。

しかし、

成功している企業が同じように増えているわけではありません。

実際には、

  • 継続できない
  • 撤退する
  • 縮小する

というケースも少なくありません。

なぜでしょうか。

理由はシンプルです。

市場だけを見て参入してしまうからです。

市場だけを見ても成立しない

市場は伸びている。

需要もある。

供給も不足している。

ここだけを見ると、

「作れば売れる」

ように見えるかもしれません。

しかし実際はそう単純ではありません。

農業は、

  • 安定して作れるか
  • 品質を維持できるか
  • 継続的に供給できるか

によって成立が決まります。

つまり、

市場が良いことと、事業が成立することは別なのです。

ここを見誤ると、参入しても継続できません。

よくある誤解① 市場が伸びているから成功できる

農業参入を検討する企業が最初に陥りやすい誤解があります。

それは、

市場が伸びている=成功できる

という考え方です。

確かに市場は伸びています。

しかし市場が伸びているだけで成功できるのであれば、多くの企業が苦労することはありません。

重要なのは、

市場の成長ではなく、自社が成立できるかどうかです。

よくある誤解② 供給不足だから作れば売れる

二つ目の誤解です。

供給が不足している。

だから作れば売れる。

一見すると正しく見えます。

しかし農業で求められるのは、

一度作れることではありません。

安定して供給し続けられることです。

品質が安定しない。

収量が安定しない。

供給が継続できない。

こうした状態では事業として成立しません。

つまり、

供給不足=売れる

ではなく、

安定供給できることが前提

なのです。

よくある誤解③ 参入が増えているから競争が激しい

三つ目の誤解です。

企業参入が増えている。

だから競争も激しくなっている。

しかしこれも単純には当てはまりません。

前回の記事で見たように、

農業は参入と継続が別です。

参入企業が増えていても、

全ての企業が安定して供給できるわけではありません。

そのため、

一般的な業界のような価格競争やシェア争いとは少し異なる構造になっています。

よくある誤解④ 規模を大きくすれば勝てる

最後の誤解です。

農業は規模を大きくすれば有利になる。

そう考える方も少なくありません。

しかし実際には、

規模を大きくするだけで成功できるわけではありません。

むしろ、

  • 栽培技術
  • 人材育成
  • オペレーション
  • 再現性

が整わない状態で規模を拡大すると、問題も大きくなります。

農業は、

規模ではなく構造で決まる事業

なのです。

多くの企業はここで判断を誤る

ここまでを整理すると、

  • 市場が伸びている=成功ではない
  • 供給不足=売れるわけではない
  • 参入増=競争激化ではない
  • 規模拡大=成功ではない

ということが見えてきます。

多くの企業は、このどこかで判断を誤ります。

そして、

市場だけを見て参入し、

構造を理解しないまま進めた結果、継続できなくなります。

多くの企業は、このどこかで判断を誤ります。

そして、

市場だけを見て参入し、

構造を理解しないまま進めた結果、継続できなくなります。

つまり、

市場にチャンスがあることと、事業が成立することは別です。

ここが、多くの企業が見落としているポイントです。

7.農業市場は本当にチャンスなのか|市場構造から見えた結論

市場は伸びている。

需要は増えている。

一方で、

供給は減り続けています。

さらに、

業界は統合されていません。

中心となる圧倒的な企業が存在せず、

市場全体は分散した状態のままです。

つまり、

需要はある。

しかし供給は足りていない。

これが現在の農業市場です。

ここだけを見ると、

大きなチャンスが存在しているように見えます。

しかし、

ここで一つ重要なことがあります。

チャンスと成立は別である

市場は伸びている。

需要もある。

供給も不足している。

この状態だけを見ると、

農業参入は魅力的に見えるかもしれません。

実際、

参入する企業は増えています。

しかし、

市場に余地があることと、

事業として成立することは別です。

ここを混同すると、

判断を誤ります。

市場構造だけでは、

まだ参入の可否は判断できません。

ここまでが、

市場編でお伝えしたかった結論です。

農業参入のチャンスは確かに存在する

ここまで見てきたように、

農業市場には明確な機会があります。

市場は伸びている。

需要は存在している。

供給は不足している。

そのため、

農業参入のチャンスそのものは十分に存在します。

しかし、

見方を間違えると成立しません。

市場が良いから参入する。

供給不足だから作る。

こうした考え方だけでは、

事業として成立するかどうかは判断できません。

判断するために必要な視点

ここまでで、

市場構造は整理できました。

しかし、

まだ判断はできません。

なぜなら、

成立しない理由が整理できていないからです。

実際には、

同じ市場を見ていても、

成功する企業と失敗する企業が存在します。

では、

何が違うのでしょうか。

どこでズレが生まれるのでしょうか。

ここを理解しない限り、

農業参入の判断はできません。

次に見る動画

「なぜ多くの企業が農業参入で失敗するのか」

について整理していきます。

市場の問題ではなく、

企業側がどこで判断を誤るのか。

どこで前提がズレるのか。

そして、

なぜ同じ失敗が繰り返されるのか。

農業参入の失敗構造について、

順番に見ていきます。

●テーマ別に学ぶ

【市場①】競合減×市場増|なぜ農業は「需要に供給が追いつかない市場」なのか


【市場②】農業市場は本当に成長しているのか|「実は伸びている」という認識ギャップ


【市場③】中小企業にとって農業は本当にチャンスなのか――大企業じゃなくていいように見える理由


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